能装束には様々な形のものがあります。先ずは着用する箇所よりの分類です。
袖は小袖のものと広袖のものがあります。
唐織(からおり)・厚板(あついた)・長絹(ちょうけん)・単法被(ひとえはっぴ)・舞衣(まいぎぬ)・水衣(みずごろも)・直垂(ひたたれ)・素襖(すおう)・袷法被(あわせはっぴ)・側次(そばつぎ)・狩衣(かりぎぬ)・直衣(のうし)
唐織・厚板・白綾(しろあや)・白練(しろねり)・熨斗目(のしめ)・縫箔(ぬいはく)・摺箔(すりはく)
大口(おおくち)・半切(はんぎり)・長袴(ながはかま)(素襖下)・緋長袴(ひのながはかま)・指貫(さしぬき)・直垂(ひたたれ)の袴・稚児袴(ちごばかま)
腰帯(こしおび)・鬘帯(かづらおび)・角帽子(すんぼうし)・頼政頭巾(よりまさずきん)などのかぶり物類など
この頁では製造方法よりの分類です。
大まかに織物・刺繍と金彩加工・染め物に分類できますが、使用している織物の種類は実に様々です。
摺箔は朱子地の上に金・銀箔を糊で貼り付け、模様を表します。
縫箔は金加工に加え、刺繍も施します。
腰帯・鬘帯も朱子の上に刺繍や金加工で製造します。一面に金箔・または銀箔を置いものを「胴箔(どうはく)」とよんでいます。
能装束には麻を染めて作られるものも沢山あります。型を使うもの、手描友禅で行うもの共にありますが、糊置き・蒸し・水洗・彩色・張りなどの様々な工程を経て出来上がります。